Wind of Myanmar

このアジアの片隅で…「27」

水資源について

 再びミャンマーの話題。今、我々の住んでいる地域の水源は地下水、井戸に頼っている。だが一般庶民の家には井戸はなく、近くの共同井戸を利用している。朝近くを散歩していると、やじろべいの如く、両端にぶら下げたバケツに水を一杯入れて、運んでいる人に出会う。女性の姿もよく見かけるが、この様子を見ていると、水は水道の栓を開くだけでは、簡単に手に入らないものだと改めて気づかされる。
 幸い我々の住居には専用の井戸があり、電気ポンプでくみ上げ、屋外にある貯水槽に溜める。そして完全に無くなってからでは厄介なので、そろそろ槽の水が無くなるだろうと思う頃に手動でポンプのスイッチを入れる。貯水槽が一杯になると水がザーザーと溢れ出すので、今度はその音を聞いてスイッチを切る。何ともプリミティブな方法だが、慣れるとそんなに不便は感じない。ところが問題は一階と二階、別々の貯水槽に水を溜めるので、二階だけ水が無くなることがあり、二階でシャワーを浴びている時、水の勢いが急に弱まり慌てることがある。裸の石けんだらけの格好で、一階までスイッチを入れにいくのはやはり気が重いので、その時はせめて石けんを洗い落とすまでは止まらないで、と祈るような気持ちになるが、こんな不便を感じて初めて水も貴重な資源の一つだと思い知らされる。

このアジアの片隅で…「28」

ミャンマーのソバ焼酎

 マレーシアには通算すると約10年半ほど住んでいたし、現在も行ったり来たりしているが、ご存知の通りイスラム国家なので、アルコール類にかかる税金はめちゃ高い。全体の物価は日本の半分から3分の1程度だと思えるが、お店で飲むビールは日本とだいたい同じぐらいだし、焼酎などは小売り価格で2倍以上している。まあ中近東諸国のように全く飲めないよりはいいに決まっているが、ビール大好き人間の私にとっては、そこがマレーシアの不満な部分でもある。その点ミャンマーは、仏教国なので、お酒に特別な税金をかけない。もちろん物価も安いので、酒飲みにとっては天国だ。まずスーパーなどで買う缶ビールは800チャット(約80円)だし、レストランでも大瓶が1300から2000チャット(130円から200円)の間ぐらいだから、全く値段を気にせずに飲めるし、結構美味しい。
 とまあここまでは、マレーシアはお酒が高く、ミャンマーのビールは安いという話だが、今回のタイトルに話を戻すと、なんとミャンマーにミャンマー製のそば焼酎があったのだ。たまたまスーパーマーケットで見つけたのだが、まずパッケージを見て驚いた。下の写真を見てもらえばわかるが、そば焼酎の文字が日本語だが、紙パックにはなんと「ミャンマー国シャン州コーカン地区で麻薬撲滅のために生産しているソバで作りました」と、これも日本語で表記されている。ユーザーは日本人ということか・・・。7月1日付のブログでも触れたが、高野秀行の「麻薬王国潜入記」じゃないけれど、以前農民に麻薬の原料となるケシの栽培を止めさせ、かわりにソバの栽培を指導し、焼酎を作って彼らの生活を破綻させずに改善させるというプロジェクトがあると聞いたことあったが、きっとその商品がこのそば焼酎なんだろう。
 なるほどお酒を飲んで彼らの生活改善に役立つのであれば協力したいという気持ちもあるが、ただ味のほうは「うーん・・・」といったところで、私のミャンマー生活では他のアルコール飲料が全て切れた時に飲む、非常時のアルコールとなっているため、あまり協力出来ていないのが実情だ。

このアジアの片隅で…「29」

ヤンゴンの街並

 今更だが、ヤンゴン街並を見て、気がつく事がいくつかある。一番大きな違いは、ここにはマクドナルド、KFC、セブンイレブンやスターバックスといった今や世界中にある欧米系のフランチャイズストア、ショップが一つもないことだ。
 理由は未だに軍事政権で、欧米が経済制裁をしているからだろうが、どこに行っても必ずあるこれらのお店が風景にないのは逆に新鮮でもある。一方好き嫌いは別にして、それらのお店に行けば、レシピがマニュアル化されており、期待していた通りのモノが飲めるし、食べられる。要は予測がつくのだが、ローカルのお店だと、ファーストフードであっても食べてみるまでわからない。結果は甘すぎたり、味が安定していないので、普段はめったに食べない欧米系のファーストフードが懐かしくなる事がある。
 最近では道ばたで営業しているコーヒショップにも入るが、テータレ(ミルク紅茶)は飲める。ただ飲み方のコツとして、まず「甘くしないで」と注文するが、ちゃんと通じてないのか、あまり期待せずに、テータレが出てきたら、最初にスプーンで混ぜないことと、最後まで飲まないこと。砂糖が下に溜まっているので、一旦混ぜると甘すぎてとても飲めない。ただそういったお店では、必ずお茶のポットが置いてあり、お茶は自由に何杯でも飲んでいいシステムなので、甘いテータレを飲んだあとはその茶で口直しをする。写真はヤンゴンのスターバックス?みたいなコーヒーショップ。

このアジアの片隅で…「30」

引っ越し

 最近、我々はオフィス兼住居を引っ越した。理由はオーナーが80%も家賃を値上げしてきたことと、雨期になって雨漏りがヒドくなってきたが、なかなか直してくれないからだが、今のヤンゴンの住宅事情は最悪だ。一般的な物価は安いのに、ホテルも他のアセアン諸国に比べ、べらぼうに高い。要は急に外国人の訪問者や滞在者が増え、その需要に供給が追いついていない事をいいことに、足もとを見た値上げが後を絶たないということだろう。
 周りの人に聞いてみると、賃貸家賃も更新時に昨年の2倍、3倍に値上げしてくるケースもあるというから、我々のケースも特別でないようだ。まあ1割、2割は仕方ないかなと思うが、2倍になれば事業計画も大幅に狂うし、たまったものではない。それなら、契約時に長期契約すればいいと思うが、なぜかヤンゴンでは契約期間分を前金で一括して支払うのが一般的なようなので、2年契約したければ2年分の家賃を先払いする事になるから、かなりの資金力と覚悟がいり簡単な事ではない。幸い、我々は部屋の改装等行っていないので、倍近い値上げ要求に応じず今回引越する事になったが、日本レストランなどは簡単に引っ越すわけにもいかず、途方に暮れているという話も聞いた。
 まあ、当初は予想もしない事が起こるのが「アジア最後のフロンティア」なのかもしれないが・・・。以下、一枚目の写真は今年の6月まで借りていたバンガロー、二枚目は7月からの新しいバンガロー。部屋も少々狭くなり、ダウングレードしたが、これも仕方あるまい。

このアジアの片隅で…「31」

ヤンゴンの物価

 ミャンマーで生活していると言っても、もちろん100%ミャンマー人と同じ生活は出来ないが、大手の日系企業から派遣されている日本人よりは、地元の人に近い生活をしていると思う。街外れで開かれている朝市や、地元の人しか入らないコーヒーショップにも頻繁に顔を出すし、ミャンマー語がよくわからないなりに交流もしている。まだ乗り合いバスやトラックには乗ったことはないが、彼らの生活の一部を垣間見るのは結構楽しい。
 そこで見聞きしたヤンゴンの物価、モノや乗り物の値段を羅列してみると、まず乗り物だが、タクシーは交渉制で最低料金は1000チャット(約100円)から。トラックに幌を付けただけの乗り合いトラックは、近くなら50チャット(約5円)距離が長くても200チャット(約20円)程度。乗り合いバスは200チャット(20円)から300チャット(30円)といったところか。バスで比較すれば日本の10分の1以下だ。また街の喫茶店と言っても冷房の効いたお店ではなく、道ばたに小さなテーブルと低い椅子を置いて、営業しているお店のコーヒーやミルクティーは200〜300チャット(20円〜30円)焼き飯は500チャット(50円)ぐらい。もちろん冷房の効いた普通のレストラン、例えば中華レストランでは一品1500チャット(150円)から4000チャット(400円)が普通。ビールは以前にも触れたが、1300チャットから2000チャット(130円から200円)程度でお店で大瓶が飲める。
 ただ、先週にも触れたが、ホテルや賃貸のマンションや事務所は異常に高く、また日本人が経営している日本レストランも結構高いので、出張などでヤンゴンを訪問すると、物価が安いと感じないかもしれない。

このアジアの片隅で…「32」

民族衣装「ロンジー」

 ロンジーとはミャンマーで男性が腰に巻くサロンのこと。今ではすっかり見慣れてしまった光景だが、最初は異質な感じがした。もちろん若い人はジーンズやパンツ姿も普通に見かけるが、年配の人はほとんどロンジーを着用している。またこれが正装ということもあり、男子学生の制服もロンジー。
 ただ正装であっても、全員足元はスリッパというのには少し驚いた。確かにロンジーに靴は似合わないが、ここの人はどこへ行くのもスリッパだ。そういえば靴屋もあまり見かけない。まあどんなものか、少し興味もあったので、現地の人に指導してもらい着用した。自分で巻いて、いや巻いてもらって初めてわかったのだが、男性用は一枚の布ではなく、筒状になっている。まず自分の足の長さに合わせ、腰の部分で長さを調整すると、一旦左右に引っぱり、今度は正面で素早く交互に押さえ、左右対称になるように巻いて真ん中で団子を作るように縛るのが、正しい着用の仕方らしいが、これが意外に簡単そうで意外に難しい。何度も試すがなかなかうまく巻けない。それがわかってから人のを見ると、確かにみんな左右対称に、うまくは着こなしている。
 巻いた感想はというと、涼しいのはいいが、なかなかしっかり巻けないので、すぐにずり落ちる。ただまあ折角の機会なので、少し照れくさいが、その格好で仏塔をバックに記念撮影。


ブログ休止のお知らせ

 昨年10月からミャンマーで新しい仕事を始め、ヤンゴンで見聞きしたことを中心に、今年1月から「Flexart」サイトの片隅に、サイト誘因への期待も込め、週一回のペースで書き始めたブログですが、先週の「32」を持ちまして、一旦休止とさせていただくことにしました。
 これまでご愛読いただいた皆様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

 尚、ブログは休止しますが、「Flexart」事業は継続しておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。


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